視覚について大変興味深い本を読みました。
視覚情報を収集する細胞には大きく2種類ありまして、明るさを感じる桿体細胞と色を感じる錘体細胞があります。
色彩担当の錘体細胞にはさらに細かい種類があり、 赤、青、 黄、緑を見分ける細胞にそれぞれ分けられます。この細胞が特定の色を見た時にスイッチが入って、脳に色調データを送るわけです。色の違いはどの色調データの組み合わせかで判断していて、上記の4つの色の組み合わせで人は色を見ている、 ってことです。
ここで私の長年の疑問だったのが、人はそれだけカラフルに見えているのに、何故肌色は地味なのか。鳥や爬虫類や虫にはもっと色鮮やかな動物がいるのに、 なんで人は同じような肌色なのか。
人種で肌の色は違うのでは?というご意見もありますが、色の違いを数値で見ると、 黒人も黄色人種も白人も、スペクトラムでみると大した違いはないのです….ではなぜだ….。 この本にその答えがありました。
どうやら、私たちの目は、肌色の微妙な色調変化を捉えており、私たちにはとてもカラフルに見えているようなのです。
細かい原理やデータは割愛しますが、ざっくり言うと、体調悪そうとか、怒ってるとか、運動後だな、日焼けしたな、という顔色(肌色)を読む行為は 人間の目だから可能であって、他の動物の目には全部同じ肌色に見えているだけなのです。つまり、私たちが見ている肌色は、 とってもカラフル。
ちなみに言うと、この顔色を読む能力は女性の方が高い傾向にあり、近い種類のサルでもメスだけが色覚を持つ種もあるそうな。ヒトでも色盲は圧倒的に男性に多いのです。理由は様々考えられますが、おそらく子育てにおいて、赤ちゃんの微妙な変化に気づくためにこの能力の有無が淘汰を受けたんではないかという説もあります。母ちゃんしゅごい。
結論を言うと、女の人に嘘は顔色でバレるよって話。