Skip to content

砂糖で太るメカニズム

前回インスリンについてお話しましたが、今度はお砂糖のお話です。

なんとかしてグルコースを作る

インスリンというホルモンは、血液中から細胞側に栄養を引き込むためのホルモンです。人間がインスリンを利用して細胞に引きこめる糖は、単糖類であるグルコース1種類のみです。これ以外の形の糖は吸収することができないため、ヒトは自ら分泌する消化酵素や腸内細菌の力を借りながら、自然界に存在する様々な形の糖類をグルコースへ変化させて吸収します。


図1: ピルビン酸から糖が作られる工程

食物繊維=カロリーゼロ

それでも、どうしても分解、吸収できないタイプの糖類があります。それを我々は「食物繊維」と呼びます。ヒトは植物の主成分であるセルロースと呼ばれる、特殊な結合で長く連なった糖を分解することができないので、吸収できません。つまり、カロリーゼロ。

人間にはカロリーゼロだけど….?

一方で、牛などの草食動物の一部はこれらを分解できる酵素を体内にもっています。だから牛は牧草だけでもあそこまで大きくなれるのです。牧草は我々にとってはカロリーゼロですが、牛にとってはカロリー満点です。

さて、人間が吸収得意なものはなんでしょうか。これは、結合が少ない、短いタイプの糖です。果物や砂糖などに含まれています。

血糖が高い状態はなぜ身体に悪いのか

じゃあ人間はそれだけを食べていればいいのか?そうとも言えません。前回のお話で、血糖が長く血液の中をただよっていると、金平糖のトゲが血管の内側を傷つけると説明しました。吸収の簡単な糖はすぐに血流に乗ってしまうので、1度に大量にとってしまうと、血糖値が馬鹿上がりしてしまいます。これがスパイクと呼ばれる血糖の急上昇です。

参照 https://reprogramyourownhealth.com/the-insulin-spike/

緑の線と比較して赤のグラフの方が上下動が激しいですよね。これがスパイクです。

高くなった糖をしまう場所は….

身体もバカじゃありませんから、糖を血流にだだ流ししてるのを黙ってみているわけではありません。身体はインスリンを大放出して、血液中から糖を細胞に慌てて引き込みます。さて、慌てて回収したものの、糖は一度に使うわけにはいきません。糖はどこにしまっておきましょう…? 主な貯蔵先は、筋肉、肝臓、そして脂肪細胞です。

勘が良い方はそろそろお気づきかもしれません。この急激な血糖の上昇により、身体は 慌てて糖をどこかにしまいこもうとします。突然の来客に慌てて荷物をクローゼットにしまうように。その収納先が肝臓と脂肪なのです。

これが、血糖の急上昇が脂肪肝や肥満の原因となる機序です。

太らないためには低GIを

じゃあどうしたらいいんでしょうか?
答えは、ゆっくり分解吸収されるタイプの糖を食べる、です。これならば、血糖はゆるやかに上昇していくので、身体も慌てて収納しようとせず、適切にエネルギーとして使えるようになります。ゆっくり吸収されるタイプの糖とは。これは既に研究されていて、GI値とよばれる血糖値のあがりやすさを測定したものがあります。このGI値が低いものをオススメします。

 

血糖値のコントロールで痩せる!?

イメージがつきにくい方は、「自然になっている状態に出来るだけ近いもの」を食べるようにしましょう。工場で加工されればされるほど、分解されて吸収されやすい糖へ変化していきます。小麦粉よりも白米、白米よりも玄米です。

2 Comments

  1. トリリ トリリ

    今度こそまともに質問させてください。お腹すいたと感じてドカ食いをする事がそもそもの悪の根源ということですかね??

    • 良い質問ですね!ドカ食いももちろん食後の血糖急上昇を起こします。加工された炭水化物、つまりお砂糖をたっぷり使った食品は、早食いしなくてもスパイクになります。どっちもよろしくないですね。

コメントを残す

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。